飲食店の経営はゲーム!?儲かる店には、今まずこれが必要

飲食

飲食店の経営はゲームです。
『美味しい料理=繁盛店』は最早成り立ちません。

不味くても繁盛しているお店がある一方、技術の高い飲食店がつぶれることも大いにあります。
飲食店は「どんな料理をだすのか?」の時代ではなく「どんな関係性を気付くのか?」の時代
キングコングの西野さんやホリエモンが提唱するような「スナック」にこそ活路を見出せます。

飲食店で上手い料理を出すのは当たり前の時代。
調理スキル以外にも経営のスキル・ノウハウが必要です。
料理の素人であっても飲食店の経営が出来てしまう今、
経営素人であってもゲーム感覚で経営思考を身に着けることで勝ち残りましょう!

経営はわからないけど
飲食の素人に負けるわけにはいかん!

料理はできないけど、ビジネスとして飲食に興味ある

どちらのかたにも有益な情報となっているはずです!

飲食店経営は難しい?

実際、飲食店を開業した際に
1年以内での廃業は30~40%
3年以内での廃業は40~70%
6年以内では60~90%
参考:飲食店.com
とかなり高い数値となっております。

とはいうもののこれは飲食店に限らず全業界平均も
1年目で37%
5年目で47%
と飲食店ほどではありませんが高い数値。
いずれにしても起業をするということにはリスクが伴うものです。

では飲食店の開業がなぜうまくいかないのか?

飲食店経営が難しい7つの理由

飲食店の数が多いため
市場が衰退傾向
利益率が低い
コストがかかる
売上が安定しない
売上の天井が決まっている
人手不足

飲食店の数が多いため

どこに行っても飲食店は有ります。
都内で飲食店がない駅はないのではないでしょうか?
それもそのはず
営業許可と食品衛生責任者の資格さえあれば開業できるため参入のハードルが低い
飲食業界で働く人の最終目標が独立であることが多いから。

多くの飲食業界で働く方を見てきましたが、企業内で出来ることは限られております。
いつかは一国一城の主となって自分の手腕を発揮できる場所が欲しいという方は非常に多い。
他の業界と違って専門店の飲食だとキャリアアップに限りがありますからね、、、

飲食店が増えれば自分の店舗を選んでもらえる可能性は低くなる
また、今やコンビニ・中食の商品開発の進化によって飲食店のライバルは飲食店だけではないです。

市場が衰退傾向

飲食業界はこの先もなくなることは無いでしょう!
ただ三井住友銀行が2017年6月に公表した「外食業界の現況と今後の方向性」によると
2020年以降、不景気の影響でコンビニや中食が拡大して外食は衰退しているようです。
参考:外食業界の現況と今後の方向性 三井住友銀行

また、今後も少子高齢化や家庭内のキッチンAIの発明により外食離れは進みそうです。

利益率が低い

飲食店の利益

利益=売り上げ-原価(約30%)-人件費(約30%)-固定費(約10%)

となります。つまりは100万円売り上げたとしても30万円しか利益が残らない
上記の計算で当てはまればいいのですが、いい場所に出店すると家賃・人件費などのコストはもっともっとかかるでしょう。
集客が見込めるエリアは家賃が高く、今のようなコロナ禍でいくら営業を短縮して原価人件費を抑えたとしても
関係なく一定の費用が掛かってしまいます。
また、飲食店が集中する人気エリアほど人を採用するのに苦労します、、、

例えばインターネットでコンテンツを配信するサービスであれば、
原価はかからず、人件費もかからない、固定費もサーバー代くらいのもので利益率は非常に高くなります。
人件費・固定費を抑えた業態としてゴーストキッチンがはやるのも納得ですね。

初期コストがかかる

少なくとも600万~1,000万ほどのコストはかかるでしょう。
物件や内装・調理器具・人材の確保などなど
またコストがかかるため、移動が困難になります。
近くに大型店舗が出来たら、コンビニが出来たらなどの理由で簡単に移動するわけにもいかず。
近くに同じ業態の店舗が出来たからと言って全く別業態に転換するのにもコストがかかります。

売上が安定しない

気候や流行・イベントなどにより突発的な売り上げの増減が発生しやすいのも特徴です。
雨の日のビアガーデンは最悪でしょうし、大学近くの飲食店も休みの日は閑散としてしまう。
大学の夏休みなど予定が立てられるイベントであれば対処可能ですが、
急にライバル店がメディアで取り上げられるなどの予期できないことも多くあります。

悪い側面ばかりでなく、流行に乗ってしまえば昨日とは一転、一気に繁盛することもあります。
材料の仕入れなどのコントロールが非常に難しいですね

売上の天井が決まっている

席数・客単価で限界が来ます。

例えば
営業時間:10時~22時(12時間営業)
席数:10席
客単価:1,000円
回転数:2回転/時間

のラーメン店があったとして
12時間×10席×1000円×2回転=24万円
一日どれだけ繁盛してもMax24万円です。

利益の式に当てはめると、ざっくり7万2千円の利益
この数字だけ見ると「あらっ結構もらえるじゃん!」
と思うかもですが、常に行列が出来るラーメン店の計算です。。。

人手不足

利益・売り上げの天井があることから従業員への給料にも天井があります。
また休日が少ない・労働環境が悪いなどの理由からただでさえ従業員が集まりづらい
参考:「飲食業=ブラック」とあきらめてませんか?

人手不足→採用困難→質の悪い人材を採用→教育コストがかかる

という悪循環もあります。
また、飲食業は「人材」が大切!従業員との会話を求めていらっしゃるお客様もいるでしょう。
接客が悪い、笑顔が出ない人材はお客様離れをも引き起こします。

飲食店経営は戦略ゲーム

ただ!実際、飲食店の経営はそこまで難しくありません!
飲食店経営のゲームも多くリリースされていますが実際の店舗でも当てはめて考えることが出来ます。

そもそも仕事とゲームは何が違うのでしょうか?
昨今ゲーミフィケーションなる言葉がはやっておりますが、飲食店ほど導入するのにふさわしい業種は有りません!
※ゲーミフィケーション=ゲームの原則をゲーム以外の物事に応用すること

仕事

自由意思を発揮しにくい
ルールが曖昧
ゴール・到達手段が曖昧
不完全なフィードバック

ゲーム

自由意思を発揮しやすい
ルールが存在する
ゴール・到達手段がはっきりしている
フィードバックを実体験

ゲームと仕事の違いはいくつかあるが、RPGゲームを参考にしてみてみましょう。


例えばドラゴンクエストであれば、
・自分の行動を自分で決められる
・ゲーム内での明確なルールが存在する
・ゴールが明確であり、自身のステータスの確認して現状を把握することでゴールまでの到達手段を導ける
・レベルアップやクリアで得られるお金や経験値など行動に伴った結果がわかりやすい

仕事だとそうは上手くいかないはずです。
とゲーミフィケーションの解説はここまで、あとは専門家に任せるとして

ここでは飲食店での応用を考えていきます!

飲食店経営のゲーム化

自由意思→個人経営の開業であれば自由に決められる
ルールが存在する→自分でルールを設定できる
ゴール・到達手段が明確→売り上げや再来店率など明確な指標が多い
フィードバック→目の前でお客様を相手にする仕事なので即座に受け取れる

一番はフィードバックでしょうか。
店の近くでビラを配る、新メニューを開発する、リピーター戦略を行うなど
その効果は目の前のお客様を見れば数字を見ればすくに結果として現れるのが飲食店です。

『仕事の全ては問題解決である』

引用『仕事の説明書〜あなたは今どんなゲームをしているのか〜 (土日出版)』(田宮 直人; 西山 悠太朗著)

どんな仕事でも相手のジョブを解決することが目的となります。
飲食店であればどんな問題解決をするでしょうか?

  • 空腹を満たすため
  • 友人との交流・取引先との話をする場
  • 美味しい料理やコミュニケーションによる幸せの時間

これを満たすことが目的となります。
あなたの店がどんな料理を出していようとも似たような店舗は沢山ありますし
空腹を満たすため、交流するためだけであれば料理と空間さえあればいいので差別化は難しい。

目指すべきは美味しい料理とコミュニケーションを通じた幸せの時間の創造」での差別化。
差別化をしたうえでリピーターを獲得していかなければいけません。

ドラクエで言うとボスを倒せるか倒せないかのレベル40の段階をまず目指します。
それ以上レベルを上げて裏ステージに進みだしたあたりがリピーターの獲得可能なレベル・差別化が始まるポイントです。
パーティーの中で一人だけがレベル40ではダメです。4人のパーティー全員が40に達して初めてスタート地点。

飲食に話を戻すと
利益率・客数・物販(デリバリー含む)・効率
の全てで一定水準を目指すゲームです。
そして、平均レベル40を超えた後は自分の強みを伸ばし続けること

お客様からのフィードバックを受け取りながらひとつづつ着実にレベルを上げていく。
他の業界ではそうも上手くいきません。
大きい会社であれば、自分が行った戦略のフィードバックも受け取れない。
お客様の顔が見えないので結果がわからない。
そもそも指標が複雑でゴールや現状の把握が不完全。

飲食だからこそゲーム化が出来るのです!

戦略ゲーム攻略方法

飲食店経営に必要なこと

利益率
客数(集客・常連化)
物販(デリバリー)
効率

利益率

ここのレベルを図る数字はFLコストです。
原価30%、人件費30%を一つのレベル40の基準とおきます。
ここからさらに原価を下げるのはお勧めしません。
今や安くて美味しいお店に対抗しようとするのは無理があるから。


下げるべきは人件費とロス率。
人件費も給料をカットしてはいけません!やめられてしまったら大変です。
機械に代替可能なものは取り換える、店でやる必要のない作業は外注する等して効率化を目指します。
今の給料を下げることなく効率を上げて、売り上げが上がれば人件費はおのずと下がります
また、人手不足は一番の悪です。
人手不足の悪い循環にはまると今いるスタッフに負荷がかかりさらに離職してしまいます。

ここで用いるのもゲーミフィケーション
店舗の運営にゲーム要素を組み入れ従業員自らやる気の出る仕組みを作ること。
例えばお客様に自分の名前入りの割引券を配り、その割引券の回収率でリピーター獲得数を競う。
お客様にプラス1品頼んで貰った実績を記録して表彰する等。
給料以外の価値を与えることも可能です。

また、ロス率は徹底して減らしましょう!
そのほかにもアイドルタイムの無駄な時間など無駄を徹底して省くこと。

客数(集客・常連化)

集客にもリピーター戦略にもゲーム化です。
集客に必要なのは「コンセプト」
自分の得意分野を明確に「お客様が来たくなる理由」を考えましょう!
ドラクエでも物理攻撃が得意なキャラもいれば魔法攻撃が得意なキャラもいます。
そのキャラに合わせて戦略をとりますよね?
武器や防具も変えて敵に合わせて攻撃の仕方を変える。

同じです!
自分の店舗の「コンセプト」にあった武器(戦略)を考え、敵(お客様)に合わせて対策する。
全ての敵を狙う必要はありません。自分が火の魔法が得意なのであれば火の魔法に弱い敵キャラを狙う。
若者に受けるコンセプトのイタリアンなら若者。
デートに使えるスポットならカップル。
宴会に使える店なら社会人。

対策例

若者→インスタ映えのメニューやSNSでの発信でファンを作る
カップル→カップルで訪れる場所(水族館等)にチラシを置く、カップルシートを設けて特集する
社会人→近隣の企業に営業をかけて宴会を勝ち取る

など

また一度集客しただけで終わりではいけません。
インスタ映えやチラシの影響、営業によって来たお客様は、こちらから仕掛けないと2度目の来店は無いでしょう。



引用:トレタ

飲食店の常連化曲線です。
上記のグラフで初回→2回目の来店につながることは10%しかありません。
逆に4回以上利用したお客様はもう常連客。半分以上の方が使い続けてくださいます。

よくあるのが「スタンプ10個、集めたら次回サービスします!」のスタンプカード。
これの「10」の数字に意味は有りません。だって10回来る人は11回目も高い確率で来るから

上記のグラフから考えると初回→2回目→3回目につながるキャンペーンを実施するのがベスト。
リピーターを獲得するためには「プレミアム化」も大切です。
そのためには来店したお客様のデータをそろえて2回目来た時、3回目来た時にわかるように優遇する。
どうやってリピーターを獲得するのか、どれだけ獲得できたのかが明確にわかればゲーム化しやすいです。

物販(デリバリー)

大変ですが物販やデリバリーをやらない手は有りません。
デリバリー参考記事
都内の飲食店経営者必見!新たなフードデリバリーChompy(チョンピー)ご紹介
今話題のデリバリーサービス「Wolt」飲食店が導入すべき理由
ゴーストレストランとは?仕組みと開業までの成功の方法を大公開!

なぜなら前述のとおり店舗の売り上げには天井があるから。
でも店のキャパシティにとらわれない物販やデリバリーであれば天井はありません。
また、店舗での飲食とデリバリーの利用時間帯は若干異なり、アイドルタイムでの収益化も目指せます。

さて、ではどうやってデリバリーで収益を上げるのか。

デリバリー収益化の秘策

・HPのSEO対策
・インスタ映えする看板メニュー
・周辺地域へのビラ
・SNS

デリバリーの範囲は半径約3キロ圏内
半径3キロ圏内のお客様を周辺飲食店と奪い合う陣取り合戦です。
デリバリーアプリでの写真映えは一つ。
思わず頼んでみたくなる、シェアしたくなるメニューがあれば一つのきっかけになるでしょう。
またエリアが限定されているのでポスティングやビラ配りも有効です。
デリバリーはアプリ側(ウーバーイーツや出前館など)がアプリ上でプロモーションや宣伝をしてくれるので
販促に力を入れなくても売れます。
ただ、逆に少し他店舗より露出を増やすだけで目立てる土俵

例えばHPのSEO対策
インターネットで「カレー 品川」と調べたときに検索上位に出てくるのは品川エリアのカレー店舗のまとめサイト。
この検索結果であなたの店舗が上位表示されたら注文は殺到するでしょう。
飲食店でHP対策をしているのは大手の一部企業だけです。
最近では食べログの評価をあてにしないユーザーも増えております。
自店舗のHPが上位表示されることは非常に優位。
一度アプリでカレーを調べた後、一定数はインターネットでどんなお店があるのか、どこがいいのか検索するでしょう。
そこを狙います。

デリバリーは露出量を多くして認知を広める→リピートにつなげるの陣取り合戦です。

効率

店舗効率を上げることはコストカット・お客様満足度につながります。
今行っている作業を洗い出し、再度必要性を考えてみてください。

断捨離の思いで不必要なものはやらないと決めることです。

冒頭でお話しした「スナック」形式の店では常連客が配膳をしたりとお店を手伝ってくれるスタイル
体験型の店舗も悪くは有りません。

何もかもが便利なのが一番いいわけではなく、お客様は体験を求めています。
自分で調理をさせてみてもいいでしょう。
雑用ではなくお客様もゲームの一員として参加できるスタイルを構築するのです。

例えば

具材の盛り付け選手権を行い、きれいな盛り付けを写真で撮り発表する
お客様自身がオリジナルメニューを考案できる
ユニフォームも貸し出して店員になり切ることが出来る

などなど。
人件費の削減にもつながりますね。

総括

飲食店は美味い料理がだせるから売れるわけではありません!
飲食店こそ経営を学ぶべき。
経営を学んでいないで独立する人が多い世界だから少し学べばチャンスはいくらでもあります!

我々に協力できることがあればご相談ください!

http://www.make-career.site/online-salon/

この記事の監修者

監修者画像

キャリアコンサルタント

兵庫 直樹

国家資格キャリアコンサルタント。大手外資系ホテル勤務を経て、15年に亘り、マネジメント業務に従事。 その中で人材関連に興味を持ち、キャリアコンサルタントを取得し人材業界へ。その後、持ち前のコミュニケーション能力と資格を生かし、ハローワークにて就業支援に従事してきた異例の経歴!

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