重要度MAX!キャリアコンサルティングの社会的意義②~キャリアコンサルタント増産計画

Ⅰ キャリアコンサルティングの社会的意義
1社会及び経済の動向並びにキャリア形成支援の必要性の理解②

さて前回に引き続きキャリアコンサルティングの社会的意義について
ここでは

② 個々人のキャリアの多様化や社会的ニーズ、また労働政策上の要請等を背景に、
キャリアコンサルタントの活動が期待される領域が多様化していること。

を見ていきます!

さて歴史に伴って働き方が変わってきたことは見てきました。

労働市場は実際にどのように変化してきたのでしょうか?
労働市場や経済を知るにはどうしても分析・数字を知る必要があります。

なにやら難しそう、、、

数字が苦手な人にとっては厄介かも
でも正確な数字を覚えるよりも
その数字を見て何が問題なのかを理解したらOK!
選択問題だから、大枠をとらえてれば大丈夫

うーむ漢字がずらりと

一つ一つ見ていきましょう!

労働力調査

こちらは就業状況に関する調査です。
15歳以上の人口に対してどれだけの人が働いていて、どれだけ失業しているのか

まずは言葉の定義から

就業者 調査期間中に収入を伴う仕事をした人
完全失業者 →「仕事は出来るし、したい!」けど出来ていない人
・調査期間中に仕事をしなかった
・仕事があれば仕事をすることが出来る
・仕事を探す活動をしていた
の全てに当てはまる人

労働力人口 ①と②の合計
働いている働いていないにかかわらず、働ける・働きたいと思っている人

非労働力人口 ③以外の人
働けない、もしくは働きたいと思っていない

就業率 15歳以上の人口における就業者(①)の割合

労働力人口比率 15歳以上の人口における労働力人口(③)の割合

完全失業率 労働力人口に占める完全失業者(②)の割合

⑦完全失業率はよく問題にされます。
働きたいけど働けない人の割合は景気を表すからです。
また、季節によって変動があるため、季節による変動を考慮して季節調整値で調整されて公表されます。

この労働力調査による
2018年
就業率は60%(男69.3% 女51.3%)
完全失業率は2.4%(男2.6%、女2.2%)

数字は大体で構いません。
大事なのは実態を把握すること。この数字を見て何を思いますか?

就業率60%しかないのに完全失業率は2.4%なのはなんで?

働けるけど働きたいと思っていない人(専業主婦など)がいるから!
あと就業率って15歳以上の人対象だから引退した高齢者も含まれるんだ

就業率も完全失業率も男の方が高いのなんで!

専業主婦などで働く意欲のない人が女性に多いってことだな、、、

完全失業率は高度経済成長期に1%台、その後は2%台で推移しましたが、
バブル崩壊後の2002年に過去最高の5.4%。
その後、回復をしましたが
コロナの影響を受けた2020年は2.8%と再度上昇してしまっています。

一般職業紹介状況

公共職業安定所(ハローワーク)における求人数と求職者数の数値です。

①有効求人倍率 

有効求人倍率=有効求人数/有効求職者数
「有効」って言葉がややこしくしてしまっていますが、要は一人の求職者に対して何件の求人があるかということ
完全失業率と同じで景気を表します。

有効求人倍率が高い
求人がたくさんある、より多くの働き手が求められている、経済に活気がある

ということ

またこの数値にも季節調整値が用いられます

②新規求人倍率

新規求人倍率=新規求人数/新規求職者数
となります。

産業別に比較するとどうなると思いますか?
建設業・製造業・卸売り・小売業・宿泊・飲食サービス業・医療・福祉で求人が多くなっており、
人手不足の業界であることがわかります。

人手不足の業界に共通するのは労働集約型産業であるということ。
労働集約型産業とは労働者を多く必要とする産業です。

それに対して

資本集約型産業 重化学工業などの設備投資に多くの経費が掛かる
知識集約型産業 IT業界など高度な技術・知識が必要とされる

があり、労働集約型産業はどうしても人手不足に陥りがちです

景気動向指数

毎月発表している景気の指標

①先行指数
②一致指数
③遅行指数

の三種類あります。
というのも景気が反映されるのには時差が生じるため

例えば
新規求人数は先行。有効求人倍率は一致。完全失業率は遅行です。

・新規求人数 先行
新しく人を採用したいと考えた企業が増える→今後、景気が回復する期待

・有効求人倍率 一致
今現在の求職者と求人数の割合

・完全失業率 遅行
既に仕事がない状態。すでに退職済みで過去には仕事を探していたが見つかってないので遅行

よくわかんねーよ!

たとえば君が会社の社長だったとして、
来季の売り上げが伸びそう!って思ったら求人出して採用するでしょ?

そして、もし君が今仕事を探していて
目の前にある応募できる求人は今の経済を表すよね?

でも、もしいま君が仕事をずっと探してそれでも見つからなくて
路頭に迷っているとしたら、それは過去の景気が悪かったことになるよね?

賃金構造基本統計調査

年に一回行われる労働者の賃金の実態を比較している調査

①所定内給与額

所定内労働時間の労働に対して支払われる金額です。
つまり、残業代や手当などを抜かしたいわゆる基本給

産業別にみると
男性は金融業・保険業が高く、女性は教育・学習支援業が高くなっています。
また宿泊・飲食業は男女ともに賃金水準が低いのが特徴です。

というのも宿泊・飲食は賃金カーブの傾きが緩やかで
年齢が高くなっても賃金があまり増えていかない傾向にあるから。

賃金カーブは賃金を縦軸年齢を横軸としたグラフ

引用:https://www.jil.go.jp/kokunai/statistics/timeseries/html/g0405.html

これを見ると給料のピークは50~54歳にピークを迎えています。

上図を見ると他にも男女間の賃金格差がわかるでしょう。
徐々に格差は縮まってはいますが、依然として格差は残ります。
またバブル期の賃金の異様な高さがわかりますね、、、

さて賃金の格差は男女・産業別だけではありません

比べられるのは学歴・企業規模・雇用形態・都道府県
全国の平均は約306万円です。
男性の大学・大学院卒が約400万、
高専・短大卒が約313万、
高卒が約291万と明らかな差があります。

また企業規模が大きいほど賃金も高く、賃金の上昇率も高くなる傾向があります。

雇用形態別では正社員だと男女あわせて約323万、
正社員以外だと約209万円と大きく離れます。

都道府県別で全国平均を上回るのは東京・神奈川・大阪・愛知のみ
東京都が約380万円と断トツ高い数字で全国平均を押し上げています。

②短時間労働者の賃金

短時間労働者とは主にパート・アルバイト等の所定労働時間が短い労働者のことです。
単純にパート・アルバイトの時給のことだと思っていただければOK!

全国平均は1128円

男性1189円、女性1105円となっています。
近年増加傾向が続いています。最低賃金との関連性も高いですね。

地域によっても違いがみられ、一番はやはり東京の1338円。

③初任給

初任給に関しては男女間の格差はあまりありませんが、学歴の格差が目立ちます
高卒男性が約16万円
高専・短大卒が約18万円
大卒が約21万円となっています。

細かい数字まで暗記するよりも、ざっくりで構わないから
いま格差がどこで起こっていて、昔と比べてどうなってきたのか
を把握しておいて!

能力開発基本調査

能力開発の取り組みの実態を調査したもので毎年行われています。
ここはキャリアコンサルタントとも深いかかわりのある範囲なので要チェック!

詳細は「キャリアコンサルティングの役割の理解」にてお伝えします。

ここでは簡単に

・企業調査
教育訓練に費用をかけている企業は約56%
事業内職業能力開発計画を作成している企業はおよそ4分の1
職業能力開発推進者を選任している企業もおよそ4分の1

・事業所調査
OFF-JTを実施した
正社員 約75% 正社員以外 約40%
キャリアコンサルティングを導入した
正社員 約44% 正社員以外 約28%

・個人調査
自己啓発を実施した労働者 約35%
正社員 44% 正社員以外 18%

教育に費用をかけている企業は半数を超えてはいるものの
キャリアコンサルティングの導入や職業能力開発推進者などの浸透はまだまだですね、

また、教育面でも正社員と非正社員の格差が表れる結果となっています。

ここでも格差があるんだね、、、

うん、ち、、、
でも、単に企業側の問題だけではないんだ

キャリアに関する相談の利用の要望では
・費用が掛からなく社内で利用できるなら利用したい 
正社員約30% 正社員以外約21%
・利用するつもりはない              
正社員約22% 正社員以外約30%

正社員と正社員以外の個人を見ても意識に違いがありそうですね。

労働経済白書

労働の実態や今後の課題を分析したもの
出題頻度は高く、毎回1題は出されています。

歴史を追って生きましょう!

過去の主題

平成26年度 人材力の最大発揮に向けて
平成27年度 労働生産性と雇用・労働問題への対応
平成28年度 誰もが活躍できる社会の実現と労働生産性の向上に向けた課題
平成29年度 イノベーションの促進とワークライフバランスの実現に向けた課題
平成30年度 働き方の多様化に応じた人材育成のあり方について

そして最新の令和元年は要チェックです!

ここも暗記ではなく理解!

第一部 労働経済の推移と特徴

● 経済は緩やかな回復が続いており、2018年度の完全失業率は2.4%と1992年度以来26年ぶりの低い水準
有効求人倍率は1.62倍と1973年度以来45年ぶりの高い水準となっており、雇用情勢は着実に改善している。

●地域別の完全失業率は、全国で低下しており、国際的にも低い水準で推移している。

● 雇用者数の推移をみると、正規雇用の職員・従業員は4年連続で増加しており、2018年では3,476万人となった。
また、就職(内定)率は、高校・大学新卒者ともに、非常に高い水準で推移している。

 ● 雇用人員判断D.Iをみると、人手不足感が高まっており、
2019年3月調査では、全産業・製造業・非製造業のいずれもバブル期に次ぐ人手不足感となった。

● 雇用形態別に労働者の過不足判断D.Iをみると、パートタイムに比べて正社員等で人手不足感が高まっている。

● 2018年度の現金給与総額(月額)は、一般労働者の所定内給与、
特別給与の増加がプラスに寄与したことなどに より、5年連続の増加となった。

● 一般労働者の名目賃金及びパートタイム労働者の時給は、引き続き増加している。

● 一般労働者に占める高齢者の比率は、一般労働者の現金給与総額に対してマイナスに寄与しているが、
高齢者 の賃金水準は、全体との格差が縮小している。

● 国民全体の稼ぎである総雇用者所得の動向をみると、
女性や高齢者の労働参加の進展によるプラスの寄与(雇 用者数)は大きくなっている。

第二部 人手不足の下での「働き方」をめぐる課題について

我が国の課題

・多くの労使が、人手不足による職場環境への影響を感じており、
「働きやすさ」の毀損だけでなく、「働きがい」の低下を実感している。

 ・「働きがい」の低下は、働く方の疲労・ストレスを過度に蓄積し、
仕事のパフォーマンスを低下させ、企業経営にも支障をきたす可能性がある。

・「働きがい」を向上させるためには、その前提として、「働きやすさ」の基盤がしっかりと構築されていることが重要であり、
「働き方改革」を 両観点から、より一層推進していくことで、労使の共通課題である人手不足を緩和していくことが大切である。

課題解消に向けた方策

・就労を望む誰もが「働きやすさ」を実感 できる企業の人材マネジメントを推進
・より多くの人が「働きがい」を実感できる 企業の人材マネジメントを推進
・「休み方」を「働きがい」の向上、ひいて は、働く方の良質なパフォーマンスの発揮につなげるポジティブな循環の実現

概要

景気が回復する中で、人手不足が加速している。特に中小企業の人手不足は顕著である。
産業別でみると正社員では製造業と建設業。パートタイムでは生活関連サービスでとくに人手不足となっている。

また人手不足は多くの職場で職場環境への影響を与えていて対策しなくてはいけない!

ただ、企業は採用の強化・労働条件の改善などの人材確保に忙しくしていて、
入社してからの雇用管理の改善や「働きがい」を高める取り組みがすくない

採用しても定着しなければ人手不足は改善されないので働きやすさとともに「働きがい」にも重きをおくべき!


っと長くなりましたがここまでがキャリアコンサルティングが必要となった背景と現在のキャリアを取り巻く様々な事情です。

正確な年数や数値を覚える必要はありません。

それを暗記するくらいならば紹介した調査資料を眺める・ニュースで経済動向を調べるなどで
全体像を把握することの方が大切です。

難しい漢字が並びますが、これも暗記は必要ありません。
漢字の意味からある程度、推測できるので概要をつかむことに集中しましょう!

では次の記事へ!

キャリアコンサルティングの役割の理解~キャリコン増産計画