ドナルド・E・スーパーの発達論を徹底解説~キャリアコンサルタント量産計画

ドナルド・E・スーパー

20世紀半ばアメリカでは多くの研究者がキャリアの研究を行うようになりました。

スーパーはのちに多くの影響を与えたキャリア研究の第一人者とも呼べる重要人物。
発達論のなかではまず初めにチェックすべき人物です!

覚えるべきは

覚えるべきは

自己概念
14の命題
5つのライフステージ
ライフロール
ライフキャリアレインボー

多いですね、、、

確かにスーパーは多くの影響を与えてきて、覚えることも多いです。
ですが、すべてつながりがあるのでそれほど理解をするのには難しくないでしょう!

見てわかる通りスーパーは「ライフ」ということに注目した理論を展開しています。
人生を通して様々なステージがあるよねっていうのが根底にあります。

まずスーパーの基本的な根本にあるのは自己形成が形成されていくプロセスこそがキャリア発達だと考えました。

結局はこんなこと

個人は多様な可能性を持っていて様々な職業の選択が出来るよね

仕事で上手くいくのは確かに発達だけど、それは一つの側面でしかないよね、
知的・情緒的・社会的発達なども同じように個人の発達だよね。

キャリア発達は職業をとおして自己実現することを目標にした継続的で不可逆的なプロセスだよね

そんなスーパーはまず自己概念とはなにかを唱えました。

自己概念

そもそも自己概念とは幼少期から様々な経験を通して周囲の人からの自分の評価や周りの反応、
その人が所属する社会から影響を受けて形成されていきます。

・肯定的自己概念:積極的に行動できる
・否定的自己概念:自尊感情が高く消極的

の二つの自己概念があり、
その中でもカウンセリングではキャリアに関する自己概念(職業的自己概念)を正しく理解する必要がある。

そしてさらに「職業は自己概念を発達させるためにある」とまで言っています。

さらには仕事によってどれだけ自己概念を実現できたかで満足度が変わるとも言っています。

お金のために働く僕

お金は大事だよねぇ
でも仕事はお金以外にもいろんな成長をもたらしてくれるし、
満足度も得られる!

順番は前後しますが、スーパーはキャリアの集大成には14の命題を発表。

内容はややこしいですが究極これがスーパーの研究したすべてです。

14の命題

1.人のパーソナリティ(価値観、興味、自己概念など)と能力は人それぞれ
2.だから人はそれぞれ違う職業に適性を示す
3.それぞれの職業も、それぞれ必要なパーソナリティや能力が異なるので、人は自分に合った職業を選べる
4.人の職業に対する興味や、それぞれの生活環境や、自己概念は変化するもの
  自己概念は社会で学びながら変化して形成されていき青年期後期~晩期にかけて安定していく
5.自己概念は成長・探索・確率・維持・解放を繰り返しながら形成されていく
6.キャリア・パターンとは到達した職業レベルのこと。
  経験や能力、教育レベル、個人に与えられた機会などによって決められる
7.どのライフステージでも環境と個体の要求に上手く対処できるかどうかは、
  個人のレディネス(どれくらい準備できているか)による
8.キャリア成熟は職業的発達の程度を意味する。
  社会的観点からは年齢に基づいて期待される課題と実際に起こる課題から定義されて、
  心理学的観点からは現在、起こっている課題を解決するのに必要なスキルと今自分が持っているスキルを比べて
  定義される

9.ライフステージの各段階で能力・興味などを成熟されることや自己概念の発達を促進することで発達していく
10.キャリア発達は職業的自己概念を発達させて実現していくプロセスのこと。
11.「個人の要因」と「社会の要因」や「自己概念」と「現実」の統合と妥協は、役割を演じてフィードバックを受ける中 で学習していく。

12.職業や生活上の満足は個人の能力・欲求・価値・自己概念などを適切に表現する場がどれくらいあるかで決まる。
  満足感は人が成長して、経験を積んで自分にとってあっていると感じられる仕事、生活に身を置いているかどうか
  で決まる
13.仕事から獲得する満足は自己概念をどれだけ具現化できたかの程度に比例する
14.仕事と職業は大抵の人にとってパーソナリティ構成の焦点となる。
   しかし仕事が偶発的であったり、仕事がない人もいる
   また、余暇や家庭といった仕事以外が焦点の中心となる人もいる
   それは周りの環境・社会的伝統(性別におけるステレオタイプ・人種的民族偏見)がどの役割を重視するのかの
   重要な決定要因になる

参考文献:新版キャリアの心理学 渡辺三枝子編著


何を言っているのか理解できていればOK!
すごーく要約しているのでもっと詳しく知りたい人は本を読んでください!

えっこれ全部ひつよう?

うーん、、、
一番大事なのは命題が14個あるってことかな
あとはめんどくさければ、飛ばしちゃってもいいかなぁ

では次のライフステージです。

・5つのライフステージ
・ライフロール
・ライフキャリアレインボー

はすべてつなげて覚えましょう!

5つのライフステージ

引用:日本キャリア・コーチング

人生を成長・探索・確立・維持・解放の段階に分けました。

発達の要約

初めは様々な経験を通して成長をしていく中で職業に興味を持ち始めます。

そして実際に社会に参加するなかで自分の関心のある職業を探索します。

いよいよ本格的に仕事を始めてキャリアの形成を始めます。
確立段階の前半では試行錯誤を繰り返し、後半では職業の専門性が高まり自分のキャリアはこれだ!と確立をします。

確立をしたキャリアを維持して、その中で更なる自己実現を果たそうとします。

キャリアの最終段階では今まで気づいてきたキャリアから解放されて新しいキャリアを始めます。

成長して、いろいろ探してみて、決める。
それを維持して、おじいちゃんになったらようやく解放される。
こう見ると人生って仕事のためにあるみたい

うん!
でも実際仕事だけじゃなくて人にはいろんな役割があるよね?
それがライフロールなんだ

そして自分が発達していくのと同時に社会においての役割も変化します。
それがライフロール。全部で9の役割があります

ライフロール

引用:https://www.atmarkit.co.jp/ait/articles/0803/27/news149_2.html

このライフロールは一人の人が複数演じている場合もあります。

そしてキャリアとは人々が生涯において果たす一連の役割とその組み合わせであると定義しました。

前述のとおり自分の発達(ライフステージ)と社会においての役割(ライフロール)は同時に進行します。
それをまとめたものがライフキャリアレインボー

ライフキャリアレインボー

引用:高校生のライフプランニング

レインボーだからと言って必ず役割が7つになるわかではありません。
人それぞれのキャリアによって数は異なります。

上図からわかるように人は自分の発達と役割を複数こなしながら人生を送ります

っといろいろ言葉が出てきましたが言っていることは非常にシンプル。

特定因子論と違うところは、やはり人は発達して人生において日々変化していくという視点が入っている所。

これから発達論に関して様々な学者が登場しますが根本的には皆同じです。

人を個人で見ると年齢によって色んなステージがあるよね。(ライフステージ)
でも社会的に客観的にみるとその人は見る人によって役割が違うはず。(ライフロール)
個人のステージと役割を一緒に考えたのがライフキャリアレインボー

この記事の監修者

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キャリアコンサルタント

兵庫 直樹

国家資格キャリアコンサルタント。大手外資系ホテル勤務を経て、15年に亘り、マネジメント業務に従事。 その中で人材関連に興味を持ち、キャリアコンサルタントを取得し人材業界へ。その後、持ち前のコミュニケーション能力と資格を生かし、ハローワークにて就業支援に従事してきた異例の経歴!

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